見どころ
実際に起きた女子中学生集団暴行事件をもとに、ひとりの少女が直面する悲劇と、それを取り巻く人々の悪意を描いた作品。
周囲の大人たちの冷酷さと少女の傷ついた心が対照的で、深い衝撃を与える。
現実の社会問題を鋭く描き出し、観客に人間の持つ無情さと理不尽さを突きつけるこの映画は、忘れられない作品となる。
ストーリー
17歳のハン・ゴンジュは、中学時代に遭った事件が原因で家庭が崩壊し、転校を余儀なくされる。知人の家に居候しながら新しい学校に通うが、孤独に耐え続けていた。
そんな彼女は、ある日クラスメートと打ち解け、束の間の安らぎを感じる。
しかし、彼女を追い詰めた過去の事件が再び表面化し、彼女の希望は絶望へと変わっていく。
感想
見なくてはいけない映画
でも精神的ダメージが怖くて見るのを後回しにしていた映画。
何を題材にしているかを事前に知ってしまっているので、どんな残酷な画面がいつ現れるのかという恐怖とともに見た。
淡々とした静かな雰囲気から始まるこの映画。
唐突に出てくるトイレのお友達。
予備知識がないと頭が混乱していたかもしれない。
印象に残ったのは先生の母親の言葉
「大人はなぜ家を建てるか、移る準備を常にしていたら不安で生きられないから」
これがストンとおちた。
男ともめてリンチを受けているときも
「何も怖くない、住処があるから」
と言い放つ。
これだ。一番必要なのは”追い出されない”居場所なんだ。
登場人物は誰もかれもがクズ
実の親があのていたらく
友達は無邪気にすり寄ってくるが、現実を知ると波が引くように去っていく、思った通りだ。
「お前は被害者だが、加害者も同然だ」
というセリフが刺さる。
これは韓国だから起きていることではない、日本だってSNSをちょっと見ればすぐに同様のことが見つかる。
ゴンジュが家を出ていくとき、警察署長が追いかけてきて、少しだけゴンジュの表情が和らぐのが残酷過ぎた。
この映画は逆『ソウォン』だ。
ソウォンは不自然なほど、周りの人すべてが暖かい。
ソウォンの感想で「親なら普通は学校を転校させるはずなのに」と反論しているのを見たが、それが普通じゃいけないんだ。
被害に遭ったからって、転校する必要もないし、家を引っ越すこともない
友達はそのままいるし、何事もなかったかのように幸せに暮らせる
そうあってほしい、それが『ソウォン』、そしてフィクションでしかないというのが辛い。
最後スイスイと泳いでいたのは、魂になったゴンジュだと私は思う、そうするしかないだろう、悲しい。
冷酷な周囲の人々を責めるのはいい、が、自分がその立場だったらそうはならないと断言できるだろうか?
結局自分の居場所を守る先生の母や、事実を知ると電話に出なくなるお友達になってしまうのでは?
辛くて何日もひきずってしまった。
映画情報

原題:한공주(ハン・ゴンジュ)
公開年:2013年
監督:イ・スジン
上映時間:112分
主なキャスト
チョン・ウヒ:ハン・ゴンジュ、高校生
チョン・インソン:イ・ウニ、同級生
イ・ヨンナン:先生の母、Gマート経営
クォン・ボムテク:警察派出所所長、パク・チェジョン
ユ・スンモク:コンジュの父、ハン・ミョンソク