見どころ
『偽りの隣人 ある諜報員の告白』は、民主化を求める政治家と、彼を監視する諜報員の姿を通して、正義や人間の葛藤を描いた社会派ドラマ。『7番房の奇跡』で知られるイ・ファンギョン監督が手掛け、韓国の民主化運動をドラマチックに描いている。
オ・ダルスが約2年ぶりに俳優復帰を果たし、『王の預言書』のチョンウや『国際捜査!』のキム・ヒウォンといった韓国を代表するベテラン俳優が顔を揃える。
ストーリー
1985年、軍事政権下の韓国。愛国心を持つ諜報員デグォンは、自宅軟禁された政治家ウィシクを24時間監視する任務を負う。
ウィシクの家に盗聴器を仕掛けて日夜監視するうち、家族を大切にし国民の平和を願うウィシクの声を聞くことにより、デグォンは徐々に自分の使命に疑問を抱くようになる。
感想
最初、U-NEXTのサムネイルだけ見たときは、かなりシリアスな事件サスペンス映画かと思っていた。
でも、実際に見始めると、1980年代の民主化運動を背景にしたコメディタッチの作品だった。
もちろん、全編がコメディというわけじゃなく、辛いシーンもあり緊張感が増す場面もあり。『7番房の奇跡』の監督と聞いて納得。
オ・ダルスの俳優復帰作というのも注目ポイント。
このブログではスキャンダルについては触れない方針だから作品だけに言及するけど、以前よりも役に深みが増した感じがする。
大統領候補というキャラクターもあるけど、今までのコメディ的なイメージに重みを加えた印象だった。
彼と同じくギャグ要因で知られるパク・チョルミンも、すごく落ち着いた雰囲気で登場してて、この二人のシーンは特に良かったな。
一応フィクションだけど、金大中氏と金泳三氏のあたりモデルになっている。
そのため、当時の軍事政権の厳しい弾圧が描かれていて、悪役として登場するキム室長をキム・ヒウォンが演じているんだけど、この役がすごくハマってて相変わらず悪い顔が最高だった。
チョンウが演じるデグォンが、最初は政府側の諜報員として登場するけど、だんだんウィシクとの距離が近くなっていく展開が自然で共感できた。
映画全体にコメディタッチがある一方で、途中で悲しいシーンが出てくると一気に雰囲気が変わって、感情のアップダウンに戸惑うこともあった。
でも、その分、ラストの感動がより一層強まる感じで、最後まで見終わった後はまさに銭湯に入ったようにスッキリとした爽快感があった。
独裁政権を選ぶのも結局は民衆の選択という実感が重くのしかかり。民主主義を守ることの大切さについて改めて考えさせられた。
韓国ではあまり興行成績が良くなかったみたい。極端な演出や歴史的な考証への批判があったよう。
でも個人的にはエンタメとして十分楽しめたし、最近観た映画の中でも特に友達におすすめしたい一作になったかな。
終わり方もヨシ。
映画情報

原題:이웃사촌(隣のおじさん)
公開年:2020年
監督:イ・ファンギョン
主なキャスト
チョンウ:ユ・デグォン
オ・ダルス:イ・ウィシク
キム・ヒウォン:キム室長
キム・ビョンチョル:トンシク
イ・ユビ:ウィシクの娘
ヨム・ヘラン:ウィシク家の家政婦
パク・チョルミン:ミン・ノグク
チ・スンヒョン:トンヒョク(キム室長の手下)