ストーリー

百済第11代・ピリュ王と第2王妃との間に生まれたプヨグは、幼い頃に王宮を追われ、塩商人として諸国をさすらう日々を送っていた。

ある日敵国・高句麗のサユ王に遭遇した際、彼に矢を放ち、見事な手柄を立てるが、父ピリュ王の怒りを買い、再び宮廷を追放されてしまう。

そんな折、かつての幼なじみで初恋の相手であるプヨファ姫と運命的に再会し…。

感想

韓国での評価

韓国では残念ながら視聴率が低迷したそう。

硬派な大河ドラマなのに歴史資料から逸脱しすぎてメロドラマ要素が強すぎた、というのが理由らしい。

百済はドラマ『階伯』や映画『黄山ヶ原』でもおなじみ、滅んだ古代の朝鮮半島の国。

なので百済側が残した文献、劇中にも出てくるコフンが記したという『史書』は現存していないようだ。

ゆえに百済の歴史は中国や高句麗、日本の書物からしか探れない。

つまり当然、勝ち残った国に有利なことが書かれているわけで。

その失われた歴史を想像で補っていくのがドラマの面白いところ。

諸説ある話なので「これは違う!」と怒るよりも、想像の幅を楽しんで、気になったら調べるのが一番楽しいと思うけどな。

大ヒットした時代劇の中では、史実をかなり歪曲しているけれど人気になったのも多いので、単純に韓国の視聴者の歴史ニーズに刺さらなかったのかもしれない。

ただ、セットや甲冑は忠実に作られていて、そこを評価する歴史マニアの声もあるみたい。

邪馬台国の姫はヤバイ

日本人の自分としてはいくらフィクションでも「ヤマタイ(邪馬台国)の姫」(卑弥呼ではない架空の姫)の姿は違和感ありすぎた。

邪馬台国はいぜん謎の国なので、想像なのは全然いい。時代が合わないのも別にいい、ヤマタイ=大和(ヤマト)とも言えるし。

姫がちょっとバカっぽいキャラなのもまあいい。好意的に描かれてるし。

邪馬台国はがあった時期も近肖古王の時期よりもかなり前だけど、まあヤマトの国、ととらえればそれもいいんだけど、、

衣装がね…笑

せめて日本の邪馬台国的な衣装イラスト資料はいっぱいあるのだから、を参考にしてほしかったなぁ。
登場時の髪型(ヒミコ様ー!)は面白いからまあよかったけど、その後変な寸足らずの十二単?みたいな、なんとも言えない衣装になって何時代でもなくなっていた笑
足袋(たび)履いてるし??

日本人としてはちょっと切なかった、、、いろんなドラマでへんてこ倭人設定出てくるたび毎回思うけど隣国の日本認識がこれか、と
ま、面白いけどね。

自分は実は、邪馬台国・飛鳥・大和時代大好きなんよ、、、
小学校のときに歴史散歩クラブ作って古墳などの探求に行って卑弥呼を探していたくらい笑

だから日本の古代が韓国ドラマに取り上げられるのは嬉しい。日本のドラマでもやってくれー。

七支刀(ななさやのたち)

石上神宮に伝わる七支刀(子供の頃読んだ「日出処の天子」で知った)が出てくる。

現存するし、つい最近CTスキャンで新たな文字判明ってNHKの特集見たからめっちゃ胸がアツい!

実際に渡った時期は諸説みたいだけど、近肖古王の息子(ゴニル演じるヨグス)から日本に伝わったという文字が書いてあるっぽい。

百済から下賜されたのか、はたまた日王に献上されたのか、もしくは平等友好の証なのか、、

このドラマだと369年頃説、仁徳天皇のときなんだー。もうほんとロマン


ドラマそのものについて

最初は登場人物が多くて人間関係や解説を覚えるのが大変だった。

でもだんだん聞き流しているうちに頭に入ってきて、それと同時にドラマの内容も楽しめるようになった。

序盤は重苦しくて、みんなワーギャー騒いでいてかなりイライラ。

「さっさと処刑せいや」なんてツッコミながら、それも韓国時代劇の王道の楽しみ。

乱世を生きる覇王として、主人公ヨグが他国をどんどん侵略し
「皆殺しにせよ!」と命じたりして、お前はネタ〇ヤフかプー〇ンか、、みたいに思えてかなり乱暴に映った。

でもそれは当時の時代性だからね。

まぁ、現代でも侵略戦争がぜんぜんあることを重ねると。数千年経っても人間は本質的に進化していないのかもね。

仲間の貴族たちがコロコロ態度を変えるのも面白い。

「百済は貴族の国だ!」とことあるごとに主張し、血統や特権階級にしがみつくチンスンちの姿は、現代の「上級国民」等への風刺にも見える。

さらには昨今の「○○ファースト」もね。

わからなくもない、自分が貴族の立場ならやはりその既得権益を保持したいだろうし。

”人類みな平等”にすると、以前まで“卑しい身分”だった人の中から、自分より優れたり豊かになったり、地位も上になる人が出てくることもあるわけで。

そんな普遍的な問題もこのドラマには当然含有されている。

何より韓国人にとっては「同一民族の統一」、つまりは南北統一という願望も含まれていたと思う。

登場キャラについて

ヨグを演じるカム・ウソンは最初はどうにも華がなく感じてしまった。
自分としては映画『情愛』の印象が強く、えろえろクズ男キャラでしかなくて、、。(俳優さんが悪いのではありません)

このドラマでも、多くを語らないから、なんでみんな尊敬して付いていくのかわからなかったり、
でも観ているうちに貫禄も出てきたころからだんだん感情移入できてきた。

ピンチでストレスが多い展開の中でも、パユンとゴムが常にヨグのそばにいて、特にゴムの優しさに安心感があったな。

誰も味方がいないと、辛くて見進めるのが嫌になるから、上手いキャラ配置だと思う。
ゴムを演じるハン・ジョンスは『チュノ~推奴~』でも似たキャラだったっけ。

そうそう、儒学者コフンが連れていた子供、ワンインが誰なのか?有名なの?
と気になって調べたら、王仁博士という日本に漢字を伝えた人物なんだって。

日本が漢字を使えるのは彼のおかげだと。へぇ~。

でも朝鮮では漢字はほとんど使われなくなって、日本で普及してるのは面白いよね。

悪役ではヘゴンが特に良かった。なんかハチワレ猫がびっくりするような顔するんだもん笑
サユも暑苦しくて好きだよ(笑)私がヨファならサユのほうがいいけどな~。

アジカイや遼西の人々も人間味があって魅力的だったな~。

結構登場人物みんな好きです。

総評

全60話の長編なのでまだ語り尽くせない。

前半は苦難が多くて見ていてしんどい部分もあったけど、最後まで観終えると満足。

終わるのが寂しく感じたな。

日本史とも関わる要素が多く、調べるきっかけがたくさん生まれた点でとても意義深いドラマだった。

史実を気にしなくてもいいウェブトゥン原作のフュージョン時代劇も好きだけど、そればかりになるのは物足りないから、こうした硬派な大河ドラマも今後もぜひ作り続けてほしいと思う。

ドラマ情報

2010年
全60話

原題:근초고왕

監督:ユン・チャンボム、キム・ヨンジョ

主なキャスト

カム・ウソン:プヨグ
キム・ジス:プヨファ
イ・ジョンウォン:サユ、高句麗王
イ・ジフン:ヘゴン、ヨファの従者でいとこ
アン・ジェモ:チンスン、プヨグのいとこ
ハン・ジョンス:ゴム、モンナグンジャ、ヨグの護衛
カン・ソンジン:パユン、ヨグの護衛
ハン・ジンヒ:プヨジュン、ヨファの父、契王(ケワン)
チェ・ミョンギル:ヘソスル、ヨグの継母、百済第一王妃
キム・ドヨン:チンサハ、ヨグの実母、百済第二王妃
イ・ジョンス:ヨチャン、ヘソスルの長男
イ・ビョンウク:ヨフィ、ヘソスルの次男
キム・ドヒョン:ヨサン、ヘソスルの三男
チョン・ウンイン :ウィビラン、タンボム会会主
イ・セウン:ウィホンナン、ウィビランの妹
イ・イン:アジカイ、ウィビランの策士
チョン・フンチェ:トゥゴ、マッコヘ、ウィビランの手下
アン・ソクファン:コフン、儒学者
ゴニル:セッコビ
オ・スンユン:プヨグン、ヨグとホンナンの息子
ウンジョン:チンアイ、チンゴドの娘
ギュリ:ジン、ヨグとホンナンの娘
キム・ウンス:チョブル、高麗の国相

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