見どころ
『プンサンケ』で知られるチョン・ジェホン監督による異色のスリラー作品。失業を機に追い詰められた男ミンスが、やがて殺人の快楽に目覚め、次第に深い闇に飲み込まれていく過程を描いている。
主人公ミンスを演じるキム・ボムジュンが、内面の変化を繊細かつ激しく表現しており、観る者を引き込む演技を見せる。色合いや冬のソウルの寒々しさの表現が作品の雰囲気際立たせる。
ストーリー
ミンス(キム・ボムジュン)は、長年勤めていた会社を解雇され、再就職に苦戦していた。結婚を約束していた恋人スジン(ペ・ジョンファ)にも愛想をつかされ、昼は肉屋、夜は運転代行の仕事で生計を立てる。
そんなある日、運転代行の仕事中に偶然元同僚と再会し、彼の侮辱を受けたミンスは怒りから衝動的に殺害。次第に殺人の快感に目覚めたミンスは殺人に取り憑かれ、やがてその狂気は恋人スジンに向かっていく。
感想
「殺人の~」とつく韓国映画はいくつかあるが、質や内容はマチマチだ。
この映画は、有名俳優がほぼ出ていない。少なくとも自分はほとんどの俳優を覚えていなかった。
何名か、他の映画で顔を見たことがあるような気がする、といった程度。
だが、有名俳優がいなくとも、この映画はなかなか良かった。
とくに主演のミンスを演じるキム・ボジュンの目まぐるしい変化が、大げさな感じはあるものの、とてもわかりやすかった。
ミンスが追い詰められていく様は、きっと誰もが共感できる。
だが、ミンスが『才能』に目覚めてしまってから、見ている者は彼についていけなくなる
その感じがなんというか見ていて自分はここちいい
ベッドシーンがやたら多い映画は、無駄な時間、と思ってしまいがちなのだが
この映画は必要性を十分感じた。ミンスの体もいいし
行動がいちいち演劇がかっていて、悲惨な話なのに胸糞の悪さがあまりしないのである。(個人の感想です)
ミンスの部屋もミニマルな感じで好みだし
映画全体のフレンチグレーといった感じの色あいがとても好きだ。
冬のソウルの寒さ、あの空気管が見ているだけで伝わってくる感じ。
『プンサンケ』のチョン・ジェホン監督作品なんだ。
そして『ワンステップ君と僕のメロディ』もこの監督だったんだ、えー作風違いすぎ。
でも、とにかく色のセンスが素敵だと思う。
結局は女がクズすぎてミンスに同情する。
時間が限られているので二度もみたいとも思わないが、意外と心に残る作品だった。
映画情報

原題:살인재능(殺人才能)
公開年:2015年
監督:チョン・ジェホン
主な出演者
キム・ボムジュン(ミンス)
ペ・ジョンファ(チョン・スジン)
チョン・ボムス(チョン・ヨヌ)