見どころ
満月の夜に行方不明になり、数日後に大人の姿で戻ってきた13歳の少年が描かれる、ファンタジーとサスペンスが交差する物語。
大人の外見と少年の内面という難しい役柄を、カン・ドンウォンが純粋かつ繊細に演じている点は必見。ピュアな恋愛模様が胸に響き、初主演となったシン・ウンスのフレッシュな演技も物語に彩りを添えている。
ストーリー
母を失い、義父と共に島に移住してきた少女スリン(シン・ウンス)は、転校先でなじめず孤独な日々を送っていたが、クラスメイトのソンミン(イ・ヒョジェ)と親しくなる。
ある日、ソンミンと数人の少年たちが謎の失踪を遂げ、スリンは唯一の目撃者として疑われる。しばらく後、自らをソンミンと名乗る大人の男(カン・ドンウォン)がスリンの前に現れるが…。
感想
浦島太郎の現代版?
浦島太郎をモチーフにしたようなユニークな脚本。若干のツッコミどころはあるものの、先が全く読めず最後まで楽しめた。
イケメン俳優カン・ドンウォンが出ているので、そればかりが注目されがちだが、自分がこの映画で最も気に入ったのはスリンの義理の父を演じたキム・ヒウォンだ。
彼は本当にいい顔をしている。一見悪人顔なのだが、実は人情があるという立ち回りにぴったり。
また子役のソンミンを演じたイ・ヒョジェ、彼は『王の運命』で、ソ・ジソプの子ども時代を演じた子だが、今回も、カン・ドンウォンの子ども時代だと信じられる容貌をしている。
おそらくは独特の”目”をしているからだろう。彼も成長したらイケメンになることは間違いなさそうだ。
テシクを演じた子役のキム・ダニュルも、成長後のオム・テグもキャラが良かった。ゆえに結果がかなり切ない・・・。
小学生の探検隊のエピソード、グーニーズのような冒険は、自分が子供の頃の気持ちを思い出させてくれた。
”やってしまう”のだが、小学生なのだもの、仕方ないだろうと思えるには十分な描き方。
そして、時間が止まってから。
この、時間が止まっている世界の描写が素晴らしい。とくに水がゼリーのようになっている表現。
これは一見の価値あり!
すごくお金がかかったのではないかと思うが、この映画は興行的に失敗し、制作費の2割しか回収できなかったそうだ・・・。
島が架空の島なのでどのくらいの規模かわからないが、食べ物は16年ももつのだろうか。
それにしても小学生から大人になって性的なことはどうしてたんだろう?そこは気にしちゃだめ?
終盤少しダレて、その理由はつっこみどころがあってモヤモヤしたから。
つっこみたい部分というのは、指紋。
「時間がかかる」と却下したが、かけろよ。と思ったし、
養護施設にある歯ブラシとかでDNA鑑定はできなかったものだろうか。
警察にいったん捕まってもらった方が良かったのではないかと。。。
ちなみに韓国は成人したら住民登録のときに指紋を登録するそうだ。未成年のうちは指紋の登録はない。
指紋に関しては最初脚本になかったが、パク・チャヌク監督が脚本にツッコミを入れて導入されたエピソードらしい。
ラストは余韻を残す綺麗な終わり方。
だが自分が一人で時が止まった世界で生きていくことを想像するとぞっとする。
実話をもとに・・・的な作り方をしているが、もちろん実話ではない。
島の名前は『ファノ』だが、これは노화(老化)を逆にして화노(ファノ)と名付けたそうだ。老化しない島ということか。
なぜ卵が?など多くの謎はあったものの、十分物語を楽しむことができた。
スリンと義父の関係がどうなったかは、見てのお楽しみ。
映画情報

公開年:2016年
上映時間:130分
原題:가려진 시간(隠された時間)
監督:オム・テファ
主なキャスト
シン・ウンス:スリン
イ・ヒョジェ:小学生のソンミン
カン・ドンウォン:大人になったソンミン
キム・ヒウォン:スリンの母の再婚相手、建設会社
クォン・ヘヒョ:アン・ベッキ、刑事
キム・ダニュル:テシク、ソンミンの同級生
チョン・ウジン:ジェウク、ソンミンの同級生、喘息
オム・テグ:大人になったテシク
パク・チョンファン:チンソン、刑事、ベッキの相棒
パク・チヌ:テシクの父
パク・ソンヨン:テシクの母
キム・ジュンベ:ジェウクの父
キム・ジョンヨン:ジェウクの母
キム・ハクソン:パク課長、建設会社
ソ・ジュヒ:孤児院院長
ムン・ソリ:ミン・ギョンヒ博士