見どころ
殺さなければ殺される、二人の男が繰り広げる緊迫のサスペンススリラー。
脳卒中の男と記憶喪失の男という異色の設定が特徴的で、一進一退の攻防を繰り広げる彼らの姿が息を呑む展開を生む。
主演のチョン・ホジンとユ・ヘジンは、それぞれ深い悲しみと激しい怒りを抱える人物を見事に演じている。先の読めない展開が続き、クライマックスでは衝撃の事実が明かされる。観る者を最後まで引き込むストーリーが魅力的。
ストーリー
妻と子供を失い、生きる意味を見失ったミンホは、年老いて脳卒中を患い病院で過ごしていた。ある日、彼の同室に記憶を失った男サノプが入院してくる。実はそのサノプこそが、かつてミンホの全てを奪った男だった。
静かな病室の中で、2人の間に眠っていた感情が次第に目覚め、衝突は避けられないものとなっていく。
感想
妻と子供を奪われ、人生の目的を失ったミンホが年老いて入院している姿は哀愁に満ちていた。
そんな彼の前に現れたのが、自分の人生を破壊した張本人、サノプ。
これ以上ない運命の皮肉さが、物語に重い空気を与えている。
ミンホの冷酷な目線がサノプに突き刺さるように描かれていて、その病室での緊迫感が伝わってくきた。
サノプ自身も記憶を失っているとはいえ、時間が経つにつれ少しずつ過去の記憶が戻り始める。
彼の視点からもミンホに対する敵対心が芽生える。その「静かに燃え上がる復讐心」の演技が印象的だった。
ユ・ヘジン演じるサノプの不良釜山弁が非常に素敵。
彼特有の存在感と雰囲気は作品の緊張感を引き上げていた。
だけど、釜山弁が崩れ気味で翻訳もあいまってかなりわかりづらい部分も。
物語の終盤にかけての展開は思わせぶりな雰囲気が強く、期待値が上がるものの、オチにはやや物足りなさを感じたかな。
終始張り詰めた空気感の中での攻防が描かれる本作だけど、暴力表現は(他に比べれば)控えめだし、性的シーンもほぼないので、なぜ18禁指定なのかわからなかった。
内容としてはスリラーとしての刺激が中心で、過激さよりも心理描写に重きが置かれている印象だった。
映画情報

公開年:2010年
原題:殺したい(죽이고 싶은)
監督:チョ・ウォニ、キム・サンファ
主なキャスト
チョン・ホジン:ミンホ
ユ・ヘジン:サノプ
ソ・ヒョリム
イ・ジョンホン