ストーリー

元刑事のソジュン(ピョン・ヨハン)が工事現場で働いている最中、妻が振り込め詐欺にひっかかり事故で大怪我をしてしまう。

さらには、建設会社の社長をはじめ作業員たちも次々と大金を奪われた。

ソジュンは自ら詐欺師を追求し、復讐を誓う。

感想

面白い!

監督が韓国警察の知能犯罪捜査部門に直接取材して制作された映画だそうで、犯罪組織のやっていることも割と現実に即しているのではないかと思う。

最近ミャンマー国境などに詐欺師の町ができていて、日本人が加担していたというニュースもあったので、荒唐無稽な話ではない。

原題は「ボイス」。欧米や韓国では、日本でいう特殊詐欺のことを「ボイスフィッシング」と言うらしいが、日本ではあまりなじみがなく、「ボイス」だけでは同名韓国ドラマと混同する可能性もあるので、邦題の『声/姿なき犯罪者』としたのは正解だったと思う。

内容としては、韓国映画あるあるが詰まっていて、バイオレンスアクションをうまく取り入れ、エンタメ性もバツグン。集団詐欺のシーンもなかなか圧巻だった。

ピョン・ヨハンが「出来すぎる刑事」だったり、「スーパーハッカーの友達」がいるなど、ややご都合主義な部分もあったが、それに頼り切っているわけではなく、他の展開が面白いので無理はあまり気にならなかった。

序盤はかなり胸糞悪い話になる予感がして、見るのが少し怖かったが、ピョン・ヨハンがスーパーマン設定だったおかげで、謎の安心感があった。

『六龍が飛ぶ』の時のように、タフで頼れる男を見事に演じていたと思う。

一方で敵のキム・ムヨルは青くてヒョロくて、本当に頭脳詐欺師って感じ。『悪人伝』の武井壮みたいなタフさは封印されていた。

この人も好きなので、ちょっとピョン・ヨハンとのバディ展開を期待してしまった(笑)。

そしてなんといっても我が愛しのキム・ヒウォンさん。

悪役顔なのでまた(?)腐敗警察か?と思ったが、今回はわりと良い役で嬉しかった。

警察がダメなんじゃなくて、いろいろ成約があって難しいという葛藤が、控えめにかつ上手く表現されていたと思う。

パク・ミョンフンの存在感も際立っていて、どう見ても中国人な髪型で、立場がわかりやすかった。

その他にも、『イカゲーム』のアリ、『ミセン』のマ部長、チェ・ジェユン、『アシュラ』で斧を持ってた人など、自分的にかなり豪華キャスト。見た目も楽しい。

登場人物が多いけれど、キャラの見分けがくっきりついているのも上手い。

特殊詐欺は決して他人事ではなく、「なんでひっかかるのかな~」と思ってしまうけど、年々手口が巧妙化してくるので、自分も気をつけないといけない。

日本の場合は固定電話に出なければかなり防げるが、韓国では高齢者もスマホを使っているしネット銀行も普及してるから、被害が多くなるのかもしれないね。

ただ、騙されてお金をなくしても、命を絶つようなことだけはしてはいけないと強く思う。なんとかなる。

事件解決後にキム・ヒウォンさん(警察)からの注意喚起が挿入されていた。警察に取材協力したことへの見返りかな?とうがって見てしまったけれど、私にはご褒美。

社会的意義はあると思う。

スカっとするし、ノワールっぽい余韻も残して、サービスたっぷりのエンディング。

特殊詐欺ネタで、ここまでエンタメたっぷりに仕上げたのは見事。

かなりおすすめ。

暴力シーンがあるから、韓国では15歳以上閲覧になっているが、中学生くらいからでもいいのでは、というくらいに思った。どうかしら。

映画情報

公開年:2021年

原題:보이스(ボイス)

監督:キム・ソン、キム・ゴク

主なキャスト

ピョン・ヨハン:ソジュン
キム・ムヨル:クァク
キム・ヒウォン:ギュポ
パク・ミョンフン:チョン本部長
イ・ジュヨン:カンチル
チェ・ジェユン:コン社長

イ・ジュヨン:カンチル、ハッカー

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