見どころ
暴力的な描写を含みつつも、軽快な会話やキャラクターの温かみが際立つ。因果応報をテーマにした深い物語と、魅力的な登場人物たちが生み出すドラマが見どころ。
ヤン・イクチュンが主演・監督・脚本を手掛けた初長編作品。原題は『糞蠅』一生分の「シバラマ」が聞ける。
ストーリー
父への憎しみを抱き、荒れた生活を送るサンフン(ヤン・イクチュン)は、ある日、勝気な女子高生ヨニ(キム・コッピ)と出会う。最悪の出会いを経て、全く異なる境遇の二人は理由もなく惹かれ合う。
しかし、二人を取り巻く環境が彼らの運命を翻弄し、思いもよらない結末へと向かっていく。暴力の連鎖を通して、人間の本質に迫る物語。
感想
ただ切ない
実はこの映画、名作と聞きつつも長らく見ることができずにいた、あまりにも切ない話だということ。心が元気なときではないと見れないのではないか、心が元気だとしても、憂鬱になってしまうのではないか、そんな心配があった。
見てみて、予想していたよりもずっと軽快で可愛らしい話だった。
暴力的なことは暴力的だ、だが、血なまぐさいほどではない、今までいくつものグロい描写の映画を見てきた自分は、だいぶ慣れてきたのだろうかとも感じた。
登場人物がそれぞれ魅力的なのである。勝気な女子高生ヨニもかわいく、ありえないほど悪態をつきまくるサンフンも周囲の愛情に囲まれている。
なにより社長のチョン・マンシクが良かった。彼は傷だらけのふたりでも同じような金貸しの社長だが、性格は正反対。やたらといいひとである。彼の存在がこの映画の光ともいえる。
それにしても因果応報、暴力の輪廻がうまく描かれている、とはいえ結末は切ない。しばらく考え込んでしまう映画だ。登場人物に感情移入できるからこそだろう。
韓国映画を知りたい人にはまず絶対、というべきおすすめ映画。
映画情報

原題: 똥파리(糞蠅)
公開年: 2008年
監督: ヤン・イクチュン
主なキャスト
ヤン・イクチュン(キム・サンフン / 借金取り立て)
キム・コッピ(ハン・ヨニ / 女子高生)
イ・ファン(ハン・ヨンジェ / ヨニの弟)
パク・チョンスン(キム・スンチョル / サンフンの父)
イ・スンヨン(キム・ヒョンソ / サンフンの姉)
キム・ヒス(ヒョンイン / サンフンの甥)
チョン・マンシク(チョン・マンシク / 闇金業者)
ユン・スンフン(ファンギュ / サンフンの子分)
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