見どころ

平凡な人生を送っていた売れない詩人が同性への恋を経験する物語。主演は『息もできない』監督主演のヤン・イクチュン。

舞台となる済州島の美しい風景が、詩的な心理描写と絶妙に調和し、直接的な描写ではなく、詩を通して紡がれる内面の葛藤が印象的。

主人公の揺れ動く感情が丁寧に描かれ、物語の進行とともに変化する風景の美しさが深い余韻を残す作品となっている。

ストーリー

中年詩人のテッキは売れない現実に悩み、妻との関係もうまくいっていない。そんな彼が地元のドーナツ屋で働く美青年セユンと出会い、心を動かされる。

介護中の父親の世話をきっかけに二人の距離が縮まるが、その関係に気づいた妻は嫉妬と怒りを爆発させる。

妻の妊娠や人工授精の失敗、詩作のスランプなど、複雑に絡み合う状況の中で、テッキは詩人として新たな道を模索していく。

感想

済州島を舞台にしたこの作品、日常の中に非日常が溶け込む雰囲気がよく表現されている。

自然豊かな風景が詩的な物語に寄り添い、映画全体を通して美しいビジュアル描かれる。行ってみたいなぁ。

『息もできない』で「シバラマ~~!」と言いまくっていたヤン・イクチュンが、ここでは気弱でだらしない詩人役。

設定に驚きつつも、役にはまっていて自然だった。さすが。

詩がテーマなのに、詩人である主人公の日常はかなり現実的で苦しい。

家庭では妻に叱られたり、友人に子供を作れと説教されたりと浪漫とは程遠い生活だけど、それがかえって詩的な部分を際立たせていた。

「詩は人生を書くもの」というセリフが心に残った。

地元のドーナツ屋で働くセユンに惹かれたテッキは、ドーナツを通して彼と少しずつ関係を深めていく。

セユンの背負う過去の重さや、二人の心のやり取りが自然で、これは惹かれるわと納得。

テッキは普通の男でもあるので、妻ガンスンとの関係もこの映画のもう一つの重要なテーマ。

妊娠した妻が、テッキとセユンの関係に気づき、嫉妬に狂って激しくぶつかる場面は、妻としての痛みや葛藤がリアルに伝わってくる。

だよなぁとしか。。

二人が再会するシーンでは、これまで積み重ねてきた感情が一気に押し寄せてくる。

詩に綴られるセユンへの想い、そして別れの切なさが胸に刺さる。

直接的なBL描写がなくて、純粋な感情の流れを感じさせるのが自分には良かった。

これはいい映画。

映画情報

原題: 시인의 사랑 (詩人の恋)
公開年: 2017年
監督名: キム・ヤンヒ

主なキャスト

ヤン・イクチュン:テッキ
チョン・ヘジン:ガンスン
チョン・ガラム:セユン
キム・ソンギュン:ボンヨン
パン・ウニ:セユンの母

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