ストーリー
トソン(ユ・ミン)は幼い時に母に捨てられ、寺の住職(ピョン・ギジョン)の手で育てられた幼い僧侶。
彼は寺の仕事をしながら会ったことのない母をいつも恋しがっていた。
そんなある日、子どもを亡くした美しい未亡人が寺を訪れた…。
フル動画
韓国映像資料院の公式動画です
感想
政治的プロパガンダのない映画としての歴史的価値。
韓国で初めて作られた仏教映画だという。 無名の子役が主演というのも韓国が独立して初めてのことらしい。
制作年が新しくなるごとに、当たり前だが視覚効果や画面遷移の技術が向上している。 クロスフェードによる画面遷移や、ピクチャーインピクチャ(画面の中に別の映像)を入れる技術も出てきている。
1949年というと洋画は『第三の男』、邦画は『小津安二郎』の晩春。
それに比べると韓国映画のクオリティはまだまだと言わざるを得ないが、丁寧に作られた優しい雰囲気の映画だ。
それにしても子供が可哀想な話はつらい。 仏教思想がベースなので、親の因果が子に報いる。 それは親への戒めの教えだと思うが、何の罪もない子どもが背負うのは不条理だ。
トソンと住職の心の絆があまり描かれていないので、住職がただの意地悪のように思えてしまう。
最後は少し希望が見える表情だが、果たしてトソンは母に出会えるのだろうか、少し絶望的な気もする。
日本帝国の支配から解き放たれ(日本から教え込まれた映画技術すらも)、真の独立(海の母)を得るために不安ながらも明るい表情で一歩を踏み出したともとらえられないか。
トソンがソウルで自由に強く生きていけることを信じる。
この映画を製作したユン・ヨンギュ監督は、朝鮮戦争の勃発(1948)前に北朝鮮に渡ったそうだ。果たしてその選択はどうだったのだろうか。
映画情報

公開年:1949年
上映時間:78分
原題:마음의 고향(心の故郷)
監督:ユン・ヨンギュ
主なキャスト
ユ・ミン:トソン、幼い僧侶
ピョン・ギジョン:住職
チェ・ウニ:未亡人アン氏