見どころ

18世紀の朝鮮王朝で実際に起きた「米びつ事件」を題材にした歴史ドラマ。

父と息子の複雑な関係を描く本作は、記録に残る事実を基にしつつ、父としての英祖と王としての英祖を人間的に描いている。

息子である思悼が父の愛を求めながらも、狂気へと傾いていく様子や、父としての葛藤。緻密なキャラクター描写と重厚な演技で圧倒的な余韻を残す作品。

ストーリー

朝鮮第21代国王・英祖(ソン・ガンホ)は、40歳を過ぎて授かった息子を王位継承者として育ててきた。しかし、期待に反して息子の思悼(ユ・アイン)は奔放な青年に成長し、英祖の失望と怒りを招く。

父と子の関係は悪化し、最終的に英祖は思悼に自害を迫ることになる。父子の深い確執や葛藤が織り成される中、8日間にわたる王室内の出来事が緊迫感とともに展開される。

感想

大河ドラマだけど親子の在り方も考えさせられる。

原題はサド(思悼)

トンイの息子である英祖と、その息子でありイサンの親である思悼世子の物語。
有名な米びつ事件(임오화변)を扱う。

ユ・アイン、ソン・ガンホ主演ときたら期待が高まる。

とくにユ・アインのアホボンはぴったりだと思っていたが、期待以上に悲哀を魅せてくれた。

ソン・ガンホは抑えた演技ながらも、感情によって声色が変幻自在などさすが。

オープニングの念仏に合わせて雨の中襲撃しようとするシーンと曲がまずかっこよかった。

結末は分かっている話なので、どう描くかによって物語が変わる。

思悼世子については記録が消されているので、視点によってオリジナリティが出る。

最初は志高い世子だったのが、親子の確執と、家臣の思惑を経て、だんだんと崩れてくる。

父の期待に沿えない世子はだんだんと正気を失っていく。

この描写がとても詳細で、十分共感に値する。

少し難しかったのが、女性の位置関係。

老けメイクのため、年齢差が親子と離れていてもわかりづらかったりして

誰が誰の婦人なのか等少し混乱することがあった。

余り美女でない(失礼)女優を起用し、地味な後宮にしたのは

後妻(ソ・イェジ)やお手付きの女官(パクソダム)などを華やかに見せるためか

(※このあと歴史を色々学んでベストキャストとわかりました)

「人がいてこそ勉強や礼節がある」のセリフが心に残る。

特に凝った舞台装置や設定はなく、演技力のみで持って行ったが十分見ごたえがあった。

子役も皆かわいらしくて秀逸、嫁が水を持ってきましたのシーンには涙。

子役のイ・ヒョジェとソ・ジソプは本当に同一人物みたい。

もっと朝鮮王朝について深く調べてみたいと改めて思った。

イ・ジュニク監督作品、好きかも。

切なくも余韻良い。

映画情報

原題:사도(思悼 サド)
公開年:2015年(上映時間:125分)
監督:イ・ジュニク

主なキャスト

ソン・ガンホ:英祖、李氏朝鮮の第21代国王
ユ・アイン:思悼世子、英祖の次男
ムン・グニョン:恵慶宮、思悼世子の正室
チョン・ヘジン:暎嬪李氏、英祖の側室、思悼世子の生母
キム・ヘスク:仁元王后、大王大妃、英祖の母、粛宗の2番目の継妃
パク・ウォンサン:ホン・ボンハン、恵慶宮の父
イ・ヒョジェ:世孫、思悼世子の息、イ・サン(李祘)後の正祖
イ・デヨン:キム・サンノ、老論派
カン・ソンヘ:キム・ハング、貞純王后の父、老論派
チェ・ドンムン:ホン・イナン、ホン・ボンハンの弟
チョン・ソギョン:ホン内官
パク・ミョンシン:貞聖王后 、英祖の正妃
ソ・イェジ:貞純王后、英祖の継妃
パク・ソダム:女官、ムン・ソウォン
チョ・スンヨン:イ・チョンボ、思悼世子の師匠
オム・ジソン:10歳の思悼世子
チョン・ヘギュン:盲人、ムーダン
ソ・ジソプ:正祖、思悼世子の息子、李氏朝鮮第22代国王

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