
見どころ
ポン・ジュノ監督が手掛けた心理サスペンス。母親の無償の愛がどこまで純粋で、どこから暴走になるのか、その境界線をスリリングに描く。
主演のキム・ヘジャが見せる圧倒的な演技力が物語を引き締める一方、ウォンビンが純粋で脆い青年役を熱演。衝撃的なラスト30分に感情を揺さぶらずにはいられない。
映像美と緻密なストーリーテリングが融合した、見応え抜群の一作。
ストーリー
田舎町で女子高生が殺害される事件が発生し、知的障害を抱える青年トジュン(ウォンビン)が犯人として逮捕される。彼を溺愛する母(キム・ヘジャ)は息子の無実を信じ、警察や弁護士に掛け合うが、誰にも相手にされない。
それでも息子を救うため、母は一人で事件の真相を追い始める。純粋な愛が次第に狂気へと変貌していく中、事件の核心に迫っていく、、、
感想
この映画、タイトルだけは知ってはいたけれど、見るきっかけはドイツに住む友人からの連絡がきっかけだった。
「すごい映画を見た、夫婦で茫然としている」と、それがこれだった。深夜のテレビで放送されていたらしい。
まだ私はノワール系映画が怖くて、重そうなテーマに躊躇しつつも、これは見るべきだと感じ、すぐに観た。
主演のキム・ヘジャとウォンビン。キム・ヘジャの母親役は圧巻。
キム・ヘジャは『宮(クン)』で演じた皇太后のおっとりと優雅な姿とはまるで別人で、息子を守るためなら手段を選ばない母親を見事に演じていた。
そしてウォンビン。『Friends』での好青年のイメージが強い自分にとって、この作品での知的障害者の演技は驚き。
純粋さと脆さを併せ持つキャラクターを完璧に表現していたと思う。
チン・グとまだあどけなさの残るチョン・ウヒとのエッ・・シーンがある。
韓国では当然19禁なのでご注意を。
話の筋は分かりやすいけれど、その背後には多くの伏線が張り巡らされている。
そして、カメラワークとライティングがとにかく美しい。どぎつい内容なのに、芸術的な要素を感じさせる。
それがこの映画を単なるサスペンスで終わらせない要因だと思う。
ネタバレは避けるけれど、ラストシーンがこの映画の全てを語っているように思える。
絶望と救いが入り混じった感情を抱かせるシーンは、一度見たら一生忘れられない。
自分もバス旅行で踊ってみたいと思ったり笑
救いが無いような気がするのに、どこかすっきりとした後味があるのは、このラストシーンの力もあると思う。
韓国映画の金字塔の一つだと思う。見る人を選ぶ作品ではあるけれど、これほど深い感動と衝撃を与える映画はなかなかない。
私も観る勇気を振り絞ったけれど、見て本当に良かったと思う。
その後何回も見ることになった。必見の作品!
映画情報

原題: 마더(マザー)
公開年: 2009年
監督: ポン・ジュノ
主なキャスト
キム・ヘジャ:トジュンの母
ウォンビン:ユン・トジュン、知的障害
チン・グ:チンテ、トジュンの友だち
ユン・ジェムン:刑事
チョン・ミソン:ミソン、写真館
ソン・セビョク:刑事
イ・ヨンソク:廃品回収老人
ムン・ヒラ:ムン・アジョン、女子高生
チョン・ウヒ:ミナ、チンテのガールフレンド
コ・ギュピル:男子高校生
イ・ミド:女子高生、ヒュント、アジョンの友だち
クォン・ビョンギル:ゴルフ場 学長
クォン・ボムテク:ゴルフ場 カート運転教授
ヨム・ドンホン:ゴルフ場 教授
イ・ジョンウン:火葬場、アジョンの親戚
チョ・ムニ:運動場 囚人
カク・ピョンギュ(カク・トウォン):炭火男