見どころ

実在の事件をもとに、血も涙もないヤクザの抗争劇を描く。暴力の応酬の虚しさや小さな幸せの貴重さを描きつつ、スピーディな展開で視聴者を引き込む。

身体能力の高さに定評のあるチョン・ジョンミョンが主演を務め、そのアクションも見どころ。

ストーリー

家族の反対を押し切り、ヤクザの世界に身を投じたサンゴン。兄貴分を退け、裏社会のトップに上り詰めるが、謀略により刑務所に入れられてしまう。

出所後、起死回生を図るものの、さらなる陰謀と裏切りが待ち受けていた。暴力の世界でのし上がった男が直面する、避けられない運命とは。

感想

「暴力団の悲惨な人生を通じて青少年たちに同じ道を歩んでほしくないという切実な思いを込めて制作しました」というテロップが冒頭で流れる。

このメッセージからも、本作が単なるヤクザ映画ではなく、啓蒙映画として作られたことがわかる。

かなり作りが安っぽく、序盤でリタイアしようかとも思ったけれど、だんだんとキャラクターに感情移入できた。

啓蒙ノワールとはいえ一定のエンタメ性はあると思う。Vシネマとかに比べれば・・・

ストーリーの流れはわかりやすい。

ただ、実際の事件の流れを盛り込みたかったからか展開がかなり早く、あっさりしているため陳腐に感じる部分もあった。

チョン・ジョンミョンの演技は韓国では酷評されているようだけれど、個人的には特に気にならなかったな。

また、チン・イハン(奇皇后のタルタル将軍役)の存在も良かったよ。少し老けて見えたけれど、、それは仕方ない。

ボクシングを取り入れたアクションは見応えがあり、その点は安心して見れた。

暴力団の虚しさ、後悔、小さな幸せが一番さなど、監督が表現したかったことはわかる。

ただ、主人公サンゴンは恵まれた環境にいたはずなのに、なぜヤクザになったのか、が説得力に欠けたかな。

単にカッコつけたかったにしてはリスクが高すぎる。韓国ではこうした若者が多いのかな?日本ではヤクザは担い手不足だというのに。

ヤクザを辞めた直後にすぐ会長になれたり、彼女が裁判官だったりと、かなり無理のある設定が盛りだくさん。

だけどストーリーのわかりやすさを優先するなら、これもアリなのかもしれないね。

言ってしまえばB級で、韓国では興行的に大失敗したようだけど、個人的にはこれまで観たひどい映画に比べれば、一定のクオリティはあったし目的がはっきりしている分、そんなに悪くない気もしたよ。

中学・高校の体育館で見させられるような映画ともいえる。

映画情報

原題: 얼굴없는 보스(顔のないボス)

監督: ソン・チャンヨン

公開年: 2019年

主なキャスト

チョン・ジョンミョン:クォン・サンゴン

チン・イハン:ク・チョルフェ(サンゴンの部下)

イ・ハユル:パク・テギュ(サンゴンの部下、無期懲役)

カク・ヒソン:クァク・サング(サンゴンの部下、死刑)

イ・シア:チョン・ミンジョン(サンゴンの恋人)

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